株式会社STUDIO KANRO(スタジオカンロ)代表取締役内野康平氏 vol1

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クールチョイス今日は株式会社 STUDIO KANRO(スタジオカンロ) 代表取締役の内野康平さんにお話を伺いします。

STUDIO KANRO(スタジオカンロ)について

始めに株式会社STUDIO KANRO(スタジオカンロ)とはどのようなお仕事をされている場所なのか事業内容を教えてください。
STUDIO KANRO(スタジオカンロ)は一級建築士事務所で拠点を本社が広島であと福岡と鹿児島の種子島に事務所を置いています。主にリノベーションの設計から施工までやっています。種子島の方で2棟宿をやってまして、7割リノベーションとか新築の設計をやって、あとの3割が宿泊をやっているという感じです。

 

どうして種子島・福岡・広島が拠点になってるんですか?
僕生まれだけ種子島でほとんどおばあちゃんちみたいな感じなんですけど、それで自分のルーツがあったっていうので、そこから博多で幼少期からは大学時代までずっと過ごしていました。新卒で大手のハウスメーカーに就職した時に広島に来たので、それぞれ自分のルーツの三つの場所に拠点を置いています。

 

インタビューさせていただいている目の前に甘露と書かれてるお酒がありますがこちらは?
僕が生まれた種子島の街でみんながこの甘露という焼酎を飲んでるんです。畑でも飲むし、冠婚葬祭でも飲むし日常でも飲まれる焼酎で本当にその街の生活に根付いてる焼酎なんです。広島で会社をやる時に「なんで Studio kanro なのっ?」て聞かれた時に「実は、種子島で産まれて」ということで会話のきっかけになるようにというのでスタジオカンロとさせていただきました。

 

会社を立ち上げられて何年になるんですか?
今丸3年が経って4年目の会社になります。もともと独立前からスタジオカンロとしては活動していてスタジオカンロという名前をつけてからは今6年目になります。

 

会社の経営理念や大切にされていること教えてください。
建築をつくるときにそれぞれいろんな土地で仕事をしているので、その場所でしかできない建築ってすごくたくさんあって、でもそれって今の物流だったりとか建築のシステムでどこでも同じものが作れちゃう世の中になっちゃってるので、ちょっとそこに相反してじゃないけど、わざわざその場所だからできる建築ってのを目指してやっています。

 

その場所だからできる建築っていうのは具体的にどういうことなんですか?
スタジオを始めるきっかけになったのが種子島でやっている泊まれる植物館東屋という一棟貸しの小さな宿なんですけど、自分で設計をして自分で工事をして今でも自分でずっと運営をしている宿なんです。そこで何から何まで種子島のもので作るっていうことをやってみて、離島だから外のものとかを持ってくる時にすごく船便で持ってきたりとかお金もかかるし、環境にもちょっと良くないなとかいうふうになんとなく思ってました。
種子島がものづくりの職人さんが多い島だったので、照明だったりドアの取っ手だったり、ペーパーホルダーとかあとは窓とか何から何まで全部種子島の鉄を使ったり土を使ったり木を使ったりっていうのを始めたのがきっかけで地域の人たちに自分が作ったんだっていう愛着を持ってくれるようになったんです。その場所でしかできない建築ですごくただ建築をつくるだけじゃなくて、その周りの人達にも色々影響があるんだなという風に思っています。

 

空き家の改修について

空き家などの改修も積極的に行っていらっしゃるようなんですがそれについても教えていただけますか?
先ほど申し上げた宿の話なんですけど先週2棟目を作りました。全部10年間限定で借りているんですね。10年後には家主さんのところに戻って、もともとこんな建物ってもう絶対蘇るわけないって地域でも言われてた建物たちを僕はそれを自費でやって、自分で事業として宿をやって10年後にはもちゃんと利益も取って家主さんに返すわけです。死んでるはずの建物が生き返って帰ってくるよって言う。しかもタダでて言うメリット付きなので、それが今20世帯しかない集落なんですけどそのうちの5棟をそうやってただで Studio kanro に預けてもらって、10年後にお返しするっていうところです。最初なんか自分の野望を持って始めたことがちょっとずつ、まちづくりみたいな感じになってきてるのはやっぱりなんかそういう建築の力って大きいのかなーって、今でもわざわざ種子島でそういう風にやっています。

 

改修を行う際に環境に優しいという視点ではどのような取り組みをされているんでしょうか?
一応せっかく建物を改修するんだったら環境的にも良くなるのも当然だし見栄えも良くなるってのも当然なんですけど、もともとあるものだったり例えば土壁すね。昔の人はもう土壁なんてという感じではあるんですけど、すごく断熱性のあったりしてて今見直されてはいるんです。なかなかそれを使える技術もなかったりするので、そういう間職人さんとかのめぐり逢いもあって、元々ある土壁を使ってみたりとかしています。よくある障子のガラスとか組み合わせたら今の3枚ガラスとかの性能にも匹敵するような設計もできるので、全部既製品の物を買うんじゃなくて、元々あるものを効果的に使えば結露もなくなります。南国だと湿気を取るために全部漆喰にしてみたり、その漆喰に地元の砂鉄とかを混ぜてちょっと黒めの落ち着いた雰囲気にするとなんか人の目も変わります。それが体感としてすごく快適だってのが伝わたわってくれるので、口コミみたいなもので広がり、写真ではなくて実際にそこを体感してもらうと近所のおばちゃんとか特に反応が大きくて、そういう快適に建築を改修して行くってことに力を入れています。

 

これから空き家はどの地域でも問題になっていますけれど、改修だとかリノベーションを考えていらっしゃる方に向けてお伝えしたい事ってありますか?
今広島でも山間部だったりとか瀬戸内の島とかすごく空き家の相談とかも増えては来ているんです。けどやっぱり何となくリノベーションしたいっていう方も多くいらっしゃいます。例えば事業をやる方に対してはちゃんと続かないといくらかっこよくリノベーションしたり、環境に配慮してイノベーションしたりしても補助金が3年間で終わってその後にも続けなくなっちゃうわけです。せっかく改修した建物が本末転倒になるって言う事があると、その建物もそうなんですけど周りにいる集落の方がすごく気持ち的にも落ち込んだりするので、僕はその宿をやるときもまず最初に事業計画とか、ちゃんと続くように固定費を抑えるために考えるとか空き家のその場所によってアプローチがあるのでちゃんとお金が回収できるかっていうのをすごく大切にしています。

 

お話を聞かせて頂きましてありがとうございます。

今回は株式会社STUDIO KANRO(スタジオカンロ)代表取締役内野康平さんにお話を伺いました。

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